海外FXで利益を出した場合、税金の扱いは国内FXとは異なり、総合課税で税率が高く、損失繰越もできません。
しかし、税金の知識を深め、節税などの対策をすれば、税金は抑えられるのです。

何も知らずに税金を未納にしたままにすると、ペナルティを受けてしまう可能性もあります。
本記事では、海外FXにかかる税金や基礎知識、計算方法、確定申告のやり方、節税のコツまで徹底解説します。
海外FXの税金について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
なお、まだ海外FX業者で口座開設していない方は「海外FX業者おすすめランキング15選【2025年最新】優良で人気の海外口座を比較」を参考に口座を開設してみてくださいね。
海外FXと税金の基礎知識


海外FXの利益には、日本の税金がかかります。
利益が出た時期や利益額によって、納税義務の有無や税率が変わるので、基本的なルールを知っておきましょう。
ここでは、海外FXの税金の基礎知識について解説します。
海外FXの収益は日本でも課税対象になる
海外FX業者は日本国外に存在しますが、利益を出したトレーダーが日本に住んでいれば、日本の税法に従って納税しなければなりません。
海外FXの所得は、所得税法上「雑所得」に区分されます。



税務署は日本の金融機関を通じて、海外送金の取引履歴をチェックできます。
申告漏れが発覚すると、追徴課税などのペナルティを受けることになるので気を付けましょう。
税金が発生するのは利益確定後
海外FXの税金は、ポジションを決済して利益が確定してから発生します。
含み益の段階では課税されません。
- ポジションを決済して利益を確定させた時点
- 仮想通貨で出金し、法定通貨に換金した時点
- スワップポイントを受け取った時点
利益が出た場合、年末の時点で含み益のあるポジションは、年明けまで決済を先送りすることで、節税につながる可能性があります。



ただし相場を予測するのは難しいので、無理のない範囲で検討しましょう。
海外FX口座を複数持っていても合算して計算する
複数の海外FX口座を持っている場合、各口座での損益を通算して、税引き前の所得を計算します。
海外FX業者 | 年間損益 | 備考 |
---|---|---|
A社 | +100万円 | 利益 |
B社 | -30万円 | 損失 |
C社 | +50万円 | 利益 |
合計 | +120万円 | 課税対象所得 |
例えば、A社の口座で100万円の利益、B社の口座で30万円の損失、C社で50万円の利益が出ていれば、120万円が税引き前の雑所得となるのです。
損益通算できるのは、同一年中の損益に限られます。



取引データをエクセルなどで一元管理しておくと現状把握がしやすいです。
海外FXと国内FXの税金制度の違いを比較


海外FXと国内FXは、税制面で大きな違いがあります。
海外FXの方が税負担が重くなる仕組みなので、理解しておきましょう。
ここでは、海外FXと国内FXの税金制度の違いを比較します。
累進課税が適用される
海外FXの所得は、給与などの他の所得と合算して総合課税の対象となります。
所得が高くなるほど税率も上がる超過累進課税が適用されるため、所得に応じて税率は5~45%に変動するのです。
課税区分 | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
所得区分 | 雑所得 | 申告分離課税 |
税率 | 5〜45%(累進課税) | 一律20.315% |
他の所得との合算 | 必要 | 不要 |
住民税 | 10% | 5% |
一方、国内FXは申告分離課税が適用されるため、他の所得と分けて課税されます。
税率は一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)なので、高所得者でも増税されません。



年収が高い人ほど、税負担の差が大きくなる点に注意しましょう。
損失繰越(損益通算)ができない
国内FXでは損失が出た場合、確定申告により3年間の損失繰越ができ、翌年以降の利益と通算して節税できます。
一方、海外FXの損失繰越はできません。
海外FX | 国内FX | |
---|---|---|
損失繰越(損益通算) | できない | 3年間可能 |
他にも海外FXでの損益通算には以下のルールがあります。
- 海外FX内での当年の損益通算はできる
- 国内FXとの損益通算はできない
- 他の雑所得(副業など)との損益通算はできる



たとえば、海外FXで50万円の損失、アフィリエイトなどの副業で80万円の利益があれば、30万円が課税対象になります。
ボーナスは税金の対象外
海外FXのボーナスは、原則として税金がかかりません。
あくまで利益に対して課税されるためです。
税金の扱い | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
ボーナス | かからない | 20.315% |
ただし、ボーナスを使ってトレードして得た利益には税金がかかります。



ボーナスで増やした資金も、出金時には課税対象となるので注意しましょう。
なお、ボーナスを提供している海外FX業者は「海外FXの入金ボーナス【2025年最新】100%や200%・クッション機能を比較」で詳しく解説しています。
含み益は税金の対象外
海外FX口座に含み益があっても、ポジションを決済しなければ課税されません。
多額の含み益を抱えたまま年越しすることで、節税につなげることもできます。
含み益の扱い | 海外FX | 国内FX |
---|---|---|
年末に決済する | 年内に決済した分が課税対象 | 年内に決済した分が課税対象 |
年末に決済しない | 翌年以降に持ち越し | 翌年以降に持ち越し |
しかし、タイミングを逃して相場が反転すれば、含み益が消えてしまうリスクもあります。



年末に多くの含み益を抱えている場合は、翌年の税負担も考えて決済するか検討しましょう。
海外FXで税金がかかる所得基準


海外FXで利益が出ても、一定額までは非課税となります。
ここでは、海外FXで税金がかかる具体的な所得基準をについて説明します。
給与所得者は年間20万円以上から税金がかかる
会社員やアルバイトなど、給与所得がある人は、給与以外の所得が年間20万円を超えると、確定申告の義務が発生します。
つまり、海外FXの所得と給与以外の副業などの所得の合計が、20万円以上になると税金がかかるということです。
含み益の扱い | 確定申告の有無 |
---|---|
給与以外の所得(海外FX利益など)が20万円超 | 必要 |
給与以外の所得が20万円以下 | 不要 |
給与収入が2,000万円以上 | 必要 |
ただし、経費を差し引いた後の所得が20万円以下なら、確定申告は不要です。
例えば、海外FXで使ったパソコンやツールの費用などは経費として計上できます。



会社員の方は、副業を含む給与以外の所得が20万円を超えているかがポンとです。
非給与所得者は年間48万円以上から税金がかかる
個人事業主や専業トレーダー、専業主婦など非給与所得者は、海外FXを含むすべての所得の合計が年間48万円を超えると、確定申告が必要になります。
48万円は、所得税の基礎控除額に相当します。
所得者区分 | 確定申告が必要な所得額 | 控除内訳 |
---|---|---|
一般の非給与所得者 | 48万円超 | 基礎控除48万円 |
青色申告 | 58万円超 | 基礎控除48万円+青色控除10万円 |
青色申告(特別) | 113万円超 | 基礎控除48万円+特別控除65万円 |
自営業者などで青色申告を行う人は、65万円の特別控除が追加されるため、実質113万円まで非課税となります。
事前に青色申告承認申請書を提出し、期限内にe-Taxで複式簿記にて提出することが条件です。



手間はかかりますが、専業トレーダーや自営業の方は青色申告が節税効果が大きいです。
住民税と復興特別所得税もかかる
海外FXの利益は、所得税だけでなく住民税と復興特別所得税もかかります。
住民税は、前年の所得に対して一律10%が課されます。
税率 | |
---|---|
住民税 | 一律10% |
復興特別所得税 | 一律2.1% |
所得税の納税額にかかわらず、1円でも利益が出ていれば住民税の申告が必要なので注意しましょう。
また、復興特別所得税は、所得税額に対して2.1%上乗せされます。



少額の利益でも住民税の申告は忘れないようにしましょう。
海外FXの税金計算をシミュレーションで理解する


海外FXにかかる税金の計算は状況によって変わります。
ここでは、それぞれのケースを想定して、海外FXの税金の計算をシミュレーションしてみましょう。
サラリーマンの場合の計算例
給与所得400万円のサラリーマンが、海外FXで100万円の利益を出したケースです。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
給与所得 | 400万円 | 給与所得控除後(基礎控除48万円) |
海外FXの利益 | 100万円 | 雑所得 |
海外FXの経費 | 10万円 | 書籍代、セミナー費用 |
課税対象所得 | 490万円 | 合算後の所得 |
所得税額 | 106万4,393円(円未満切り上げ) | (490万円×30%)-427,500円+2.1% |
上記の計算から106万4,393円(円未満切り上げ)の税金がかかることになります。
個人事業主の場合の計算例
個人事業主で、事業所得が500万円、海外FXの利益が200万円、損失が100万円だったケースです。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
事業所得 | 500万円 | 基礎控除後(48万円) |
海外FXの利益 | 200万円 | ー |
海外FXの損失 | 100万円 | ー |
海外FXの経費 | 55万円 | パソコン代、ツール代 |
青色申告特別控除 | 65万円 | ー |
課税対象所得 | 490万円 | 合算後の所得 |
納税額(所得税、住民税、復興特別所得税込み) | 106万4,393円(円未満切り上げ) | (490万円×30%)-427,500円+2.1% |
上記の計算から106万4,393円(円未満切り上げ)の税金がかかります。
所得や利益は先ほどのサラリーマンの場合より多いですが、損失や経費、控除額も多いため、納税額が同じになっていることが分かります。



個人事業主の方は青色申告特別控除を利用すれば、65万円控除されるのでおすすめです。
専業トレーダーの場合の計算例
専業トレーダーで、事業所得が2,000万円、経費が200万円だったケースです。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
事業所得(海外FXの通算利益) | 2,000万円 | 基礎控除後(48万円) |
海外FXの経費 | 200万円 | VPS代、EA代、セミナー費、書籍代、通信費など |
青色申告特別控除 | 65万円 | ー |
課税対象所得 | 1,735万円 | ー |
納税額(所得税、住民税、復興特別所得税込み) | 604万8,915円(円未満切り上げ) | (1,735万円×43%)-1,536,000円+2.1% |
上記の計算から604万8,915円(円未満切り上げ)となります。
利益が多くなると、累進課税の影響で税負担率が跳ね上がります。経費でできる限り所得を圧縮するのがポイントです。



経費をなるべく計上したり、含み益は翌年以降に繰り越すなどの節税対策を検討し始めてもよいでしょう。
無職・専業主婦の場合の計算例
無職もしくは専業主婦(夫)の人が、海外FXで80万円の利益を出し、10万円の経費があったケースです。
項目 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
海外FXの利益 | 80万円 | その他の所得なし |
海外FXの経費 | 10万円 | 書籍代、ツール代 |
課税対象所得 | 70万円 | 経費控除後 |
基礎控除 | 48万円 | ー |
課税所得金額 | 22万円 | ー |
税金合計 | 3万3,693円 | 22万円×15%+2.1% |
上記の計算から3万3,693円の税金がかかります。
利益が少額なので、税率は15%(所得税5%、住民税10%)の最低率に収まっています。



無職や専業主婦の方は、基礎控除(48万円)までなら非課税になります。
税金手続きが楽になる海外FXの選び方


海外FX業者によって、確定申告に必要な書類の発行基準が異なります。
FX業者選びの際は、税金まわりの手続きがしやすいかどうかもチェックしておくと良いでしょう。
ここでは、税金手続きが楽になる海外FX業者のポイントを解説します。
取引明細を出力しやすい業者を選ぶ
確定申告には、1年間のトレード履歴が必要です。
取引プラットフォームから簡単にダウンロードできるか確認しておきましょう。
- CSV形式でダウンロードできる
- 日付や時間順で並べ替えができる
- 通貨ペアや取引タイプの絞り込みができる
- 損益が円換算で表示される
- スワップポイントが別項目で記録されている
出力形式はCSVやXMLなどの一般的なデータ形式がよいです。
PDFでは、データ加工の手間がかかります。



MT4やMT5を採用している海外FX業者なら、標準機能で取引履歴のダウンロードが可能です。
年間損益レポートを提供する業者を選ぶ
自動で年間の損益を集計したレポートを発行してくれるFX業者もあります。
細かい取引履歴を見なくても、トータルの利益が一目で分かります。
海外FX業者 | 年間損益レポート | 特徴 |
---|---|---|
XMTrading | あり | My XMから年間取引レポートをダウンロード可能 |
AXIORY | あり | マイページから年単位でダウンロード可能 |
TitanFX | あり | 指定期間の取引履歴をCSVダウンロード可能 |
Exness | あり | 独自形式で年間取引履歴をダウンロード可能 |
年間取引レポートが発行されるタイミングは早いほど良いです。
確定申告の時期に間に合うよう、1月中にダウンロードできる業者がおすすめです。



一部の海外FX業者では、取引履歴が自動的に分析されるダッシュボード機能を提供しているところもあります。
自動計算ツールが使える業者を選ぶ
利益や損失を自動で集計し、簡単に申告用の数字が出せるツールを用意しているFX業者もあります。



細かい計算を自分でやらなくて良いので、ミスも防げます。
面倒な作業を業者側にサポートしてもらえれば、ストレスなく確定申告できるでしょう。
海外FXの確定申告方法


海外FXの利益は確定申告が必要ですが、具体的にどのように進めるのでしょうか。
ここでは海外FXの確定申告の流れを、書類の準備から提出までを順番に説明します。
①MT4もしくはMT5から取引履歴をダウンロード
海外FXの確定申告に必要な情報は、MT4またはMT5からダウンロードできます。
今回はXMTradingを例にMT4とMT5の取引履歴のダウンロード方法を紹介します。
- MT4にログインする
- 「ターミナル」から「口座履歴」を選択する
- 口座履歴を右クリックして、期間を設定する
- 開始日と終了日を設定し、「OK」を選択する
- 「レポートの保存」を選択する
ダウンロードの形式は、データ加工がしやすいCSVやXMLを選ぶのがおすすめです。
②PC/スマホで確定申告書類を作成
国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を使えば、ガイダンスに沿って入力していくだけで、申告書類が作成できます。
- 国税庁の確定申告等作成コーナーのページへ進む
- 「申告書等を作成する」から「作成開始」を選択する
- マイナンバーを持っている場合は「はい」、持っていない場合は「いいえ」を選択する
- マイナンバーを持っている場合は「マイナンバーで認証」、持っていない場合は「e-Tax(ID・パスワード方式)または書面提出」を選択する
- 給与所得もある方は「所得税」、それ以外の方は「決算書・収支内訳書(+所得税)」を選択する
- マイナンバーを使う提出方法を選択した場合は「マイナポータル連携の選択」画面が表示されるため、「マイナポータルと連携する」「連携しないで申告書等を作成する」の好きな方を選択する
- 「利用規約に同意して次へ進む」を選択しさらに「次へ進む」を選択する
- 「決算書等の作成」画面に進むため、事前に準備した取引履歴を元に、案内に従って必要事項を入力し申告書を作成する
海外FXの所得は「雑所得」として申告します。
専業トレーダーの方など事業として取引をしている場合は「事業所得」になるので、違いに注意しましょう。
③eTaxもしくは税務署に確定申告書類を提出
作成した申告書類は、オンラインの「e-Tax」または税務署の窓口に提出します。
e-Taxの方が受付時間が長く、混雑を避けられるのでおすすめです。



e-Taxであれば、「確定申告書等作成コーナー」で作成と同時に提出も一連の流れで済みます。
確定申告の提出時は、申告書と一緒に、本人確認書類と利益の振込先となる銀行口座の番号が必要になります。
提出の期限は、原則として毎年2月16日から3月15日までなので、期限には気を付けましょう。
④税金の納付・還付
確定申告の納税額が確定したら、金融機関やコンビニエンスストア、クレジットカード決済サービスなどで期限内に納付します。



税務署から納付書が送られてくるため、納付書に従いましょう。
一方、確定申告で税金が還付される場合は、申告書に記載した口座に後日振り込まれます。
海外FXの税金対策や節税方法


海外FXの利益に対する税金は高くなりがちですが、適切な節税対策をすれば、税負担を抑えることも可能です。
ここでは、海外FXにおける節税の方法をいくつか紹介します。
経費として計上する
海外FXで利益を出すためにかかった費用は、経費として申告することで所得から差し引けます。
経費の例 | 内容 |
---|---|
取引ツール | EAなどのプログラム、シグナル配信サービス、VPSの利用料など |
セミナー・教材費 | FX関連のセミナー参加費、書籍、動画教材の購入費用など |
通信費 | FX取引のためのインターネット回線使用料、スマホのデータ通信料など |
機器 | FX取引専用のPC、モニター、周辺機器など |
ただし、FXに直接関係ない費用は経費として認められません。
日常的に使っているPCやスマホの費用は、按分して一部のみ計上できる場合もあります。



経費は、レシートや領収証などの証拠書類を残しておきましょう。
所得控除を最大限に活用する
所得控除とは、所得から一定額を差し引いて課税所得を減らす制度です。
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
サラリーマンなら年末調整で受けられる控除に加え、医療費控除など追加で利用できるものがあります。
海外FXで利益が出た場合は、所得控除をフル活用して節税につなげましょう。



雑損控除、寄附金控除、医療費控除などは確定申告で受けられます。
他の雑所得と損益通算する
副業などで発生した雑所得の損失は、海外FXの利益と損益通算できます。
- 雑所得内でのみ損益通算ができる
- 事業所得など他の所得区分とは通算できない
- 海外FXと国内FXの損益通算はできない
- 年内分のみ通算できる
サラリーマンが副業で赤字になったら、海外FXの黒字と相殺すれば、課税所得を減らせるのです。



海外FXの赤字も他の副業(雑所得)の黒字と相殺できます。
ただし、事業所得など雑所得以外の所得とは通算できない点や、海外FXの損失を国内FXの利益と通算できない点には注意しましょう。
法人化する
本格的に海外FXで稼ぐ予定があるなら、個人ではなく法人でトレードすることを検討しても良いでしょう。
個人の場合、所得が増えるにつれて税率が上がりますが、法人は一定の税率です。
比較項目 | 個人 | 法人 |
---|---|---|
税率 | 累進課税(最大45%) | 実効税率約30%(中小法人) |
赤字の繰越 | 不可 | 最大10年間可能 |
ただし法人化には、会社設立の費用や法人税の申告、税理士の必要性など、税金以外の負担なども考えておく必要があります。



FXの利益が安定して年間1,000万円を超えるようなら、法人化を検討してみましょう。
なお、海外FXのおすすめ法人口座は「海外FX業者の法人口座おすすめ比較!メリットやデメリット・税金についても紹介」で解説しています。
海外FXの税金に関する注意点


海外FXの取引は自由度が高い反面、税制面では国内FXより不利な面があります。
海外FXの税金に対する注意しておくべきポイントを確認しておきましょう。
損失の繰越控除ができない
海外FXで損失が出た場合、損失を翌年以降の利益と相殺する「損失繰越控除」はできません。
国内FXでは最長3年間の損失繰越控除が認められていますが、海外FXには適用されないのです。
比較項目 | 国内FX | 海外FX |
---|---|---|
損失繰越控除 | 3年間可能 | 不可 |



海外FXで損失が出たからといって、翌年の税金が減るわけではありません。
税務調査でチェックされる可能性がある
確定申告が正しく行われているかは、税務署の調査対象となります。
税務調査が来た場合に備えて、以下の準備をしておきましょう。
- 取引履歴は最低5年間保管する
- 出金や入金記録も保管しておく
- 経費の領収書は保管しておく
- 取引日誌をつけておく



利益の申告漏れなどがあると、ペナルティとして追徴課税を受けるリスクがあるので注意しましょう。
出金しなくても課税対象になる
国内FXでは国内業者に預けている資金には課税されませんが、海外FXでは口座に残したままでも課税対象になります。
ポジションを決済した時点で利益が確定し、税金が発生するためです。
決済のタイミング | 課税の有無 |
---|---|
年内に決済 | 利益は全て課税対象 |
年をまたぐ場合 | 利益は翌年に持ち越し |



出金していなくても、利益が出た場合は課税対象になることは覚えておきましょう。
海外FXの税金に関するよくある質問
最後に、海外FXの税金について、よく聞かれる質問にお答えしていきます。
海外FXの税金は会社にバレる?
サラリーマンが海外FXで利益を出した場合、基本的に会社にはバレません。
ただし、確定申告で「特別徴収」を受けると、会社の給与から住民税が天引きされるため、会社に知られる可能性が出てきます。
- 「特別徴収」は受けない
- 確定申告の住民税の徴収方法は「普通徴収」を選ぶ
- 確定申告は会社を通さず自分で行う
- 会社の副業規定を確認しておく
海外FXと国内FXを併用すると税金は二重になる?
海外FXと国内FXの利益は、それぞれ別々に申告する必要があります。
二重課税になることはありませんが、トータルの所得税負担は高くなる可能性があります。
ボーナスやキャッシュバックも課税対象になる?
海外FXのボーナスやキャッシュバックは課税の対象外です。
あくまでFX業者からの贈与や割引としてあつかわれます。
- ボーナスやキャッシュバックは非課税
- ボーナスを使って得た利益は課税対象
なお、海外FXの中でも口座開設ボーナスは課税の対象外かつ入金不要で受け取れる特典になっています。
詳しくは「海外FXの口座開設ボーナス【2025年最新】おすすめの未入金キャンペーンを紹介」を参考にしてください。
海外FXの利益が20万円以下でも申告は必要?
サラリーマンであれば、海外FXの利益が20万円以下なら、確定申告は不要です。
職業区分 | 確定申告が必要な金額 |
---|---|
サラリーマン・公務員 | 雑所得合計が20万円超 |
専業主婦・学生 | 所得合計が48万円超 |
年金受給者 | 公的年金等の収入が400万円超または雑所得合計が20万円超 |
個人事業主 | 所得合計が48万円超 |
一方、専業主婦やフリーターの場合は、海外FXの利益が48万円以下であれば、所得税や住民税ともに申告は不要です。
海外FXの税金申告は税理士に依頼すべき?
海外FXの利益が高額な場合、税理士に依頼した方が良いかもしれません。
税理士は節税についても詳しく、申告漏れなどのリスクも減らせます。
- 年間利益が100万円を超える場合
- 確定申告が複雑で自信がない場合
- 経費の計上が多い場合
- 他の所得と組み合わせた節税を検討する場合
- 法人化を視野に入れている場合



少額の利益なら自分で確定申告した方が良いでしょう。
確定申告をしないとどうなる?
確定申告が必要な状況なのに申告をしないと、無申告加算税や延滞税などのペナルティを受ける可能性があります。
悪質な場合は脱税として刑事罰の対象にもなります。
ペナルティの種類 | 内容 |
---|---|
無申告加算税 | 本来納めるべき税額の10〜25% |
延滞税 | 納付期限の翌日から納付日まで年2.4〜8.9% |
重加算税 | 悪質な場合は本来納めるべき税額の35〜50% |
刑事罰 | 悪質な脱税は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金 |



海外FX業者から得た利益は申告し、税金をきちんと納めましょう。
まとめ
海外FXは利益が多く得られる投資先ですが、税金の面では不利になりがちです。
ただし、正しいルールで節税対策をすれば、税負担をコントロールできます。



経費や控除などできる節税は確実に行っておきましょう。
最後に、海外FXの税金のポイントをおさらいします。
- 海外FXの利益は「雑所得」として確定申告が必要
- サラリーマンは20万円超、個人事業主や専業主婦は48万円超で申告義務がある
- 経費や控除を活用して節税できる
- 取引履歴は最低5年間保管する
- 口座に残した利益も課税対象になる
- 損失の繰越控除はできない
- 安定して1,000万円以上の利益が出るは法人化することで節税できる
今回の記事を通して税金についての理解を深め、無駄のない海外FX取引をしてきましょう。
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