ハイレバレッジを武器に、透明性と長期的な信頼を両立させる中堅海外ブローカー「TradersTrust」。
そのCOOであるTodor Goergiev氏は、CFD市場における競争優位をどこに見出しているのか。そして、同社が次に注力するアジア市場で描く成長戦略とは。
プロ投資家の視点に立って、その戦略的価値とリスク管理の本質に迫りました。

Todor Goergiev氏
TradersTrust COO
2019年、Exnessに入社しCFD業界でのキャリアをスタート。その後、Tixee、FxGlobeにて最高運用責任者として組織を牽引してきた。2023年9月よりTradersTrustのCOOに着任し現在に至る。組織の監督・指導に携わりながら、ビジネス戦略を設計・遂行する。
この記事を読むことで、TradersTrustの戦略的ポジショニングと、中堅STPブローカーとしての成長戦略について理解を深めることができます。
「ミッドサイズSTPブローカー」という選択肢の価値


本日はお時間いただきありがとうございます。まずはTradersTrustという企業の現在のポジショニングについて、改めてご説明いただけますか?



私たちTradersTrustは、2009年創業以来、ミッドサイズのSTP(Straight Through Processing)ブローカーとして、透明性・誠実性・安定性を軸に成長してきました。TTCMグループとして14年にわたる歴史を持ち、特定のニッチ―特にハイレバスキャルピング・高頻度取引を行うトレーダー―の間で確固たる地位を築いています。



派手なマーケティングよりも、確実なオペレーションと、顧客本位の取引環境構築にリソースを注ぎ続けてきました。
「金融の長距離走者」が作る顧客中心主義のブローカーモデル





TradersTrustは、短期志向のブローカーとは一線を画している印象です。創業哲学について、少し詳しく教えていただけますか?



私たちの創業者であるニコラ・ベラルディは、スイス出身で30年以上にわたり金融サービス業界に携わってきた人物です。彼の哲学は非常に明快です―「ブローカー業とはマラソンである」。つまり、短期的な収益を追うのではなく、顧客との関係性を中長期で構築することを最優先すべきだと。



私たちは、一貫してこの哲学に基づき、過度なボーナスや誇張広告には依存せず、むしろユーザーエクスペリエンスとオペレーショナルな信頼性を資本としています。
スプレッド戦略と3000倍レバレッジ:プロトレーダー向け最適化の設計思想





御社のプロダクト設計における強みについて教えてください。特に、上級トレーダーが注目すべき点は?



私たちは極めて実務的なアプローチで、スプレッドの競争力と執行速度の安定性を両立させています。最大レバレッジ3000倍という数字は目を引きますが、これは単なる「刺激」ではなく、証拠金効率における柔軟性を最大化するための設計です。



当然ながら、レバレッジリスクに対する厳格なリスク管理モデルを併設しており、破綻的な取引を助長する構造ではありません。実際、多くのハイフリークエントスキャルパーが、我々のSTP執行の一貫性とコスト効率性を理由に選んでいます。
アジア市場進出の意図と戦略的意味



今後の成長戦略として、アジア市場に注力されるとのことですが、その理由と計画について教えてください。



アジアは、人口動態的にも経済的にも、今後10~20年の成長余地が非常に大きい市場です。特に個人投資家のトレーディングへの参加率が急激に上がっており、また、STPモデルや透明性への理解が浸透してきている。私たちにとっては、文化・規制へのローカライズ対応を進めることで、中長期的なポジション構築が可能だと判断しました。



日本を含め、東アジア・東南アジアの数カ国ではすでに現地パートナーとの連携を進めています。
TradersTrustが描く、10年後の市場地図とは?



最後に、御社が今後目指す中長期的なビジョンをお聞かせください。



市場環境は常に動き続けますが、私たちが変えないのは「誠実な執行」と「顧客中心主義」です。今後も、取引条件の最適化、顧客インサイトを起点としたプロダクト設計、そしてテクノロジー投資による執行力の強化を続けていきます。



エキストラ・マイル――つまり「期待を超える品質」の提供を、日々積み重ねていくことで、顧客と市場の信頼を得て、結果的に競争優位を築く。これが、私たちが描くTradersTrustの未来図です。
まとめ:中堅STPブローカーの戦略的価値
今回のインタビューでは、TradersTrustのTodor Goergiev氏に同社の戦略的ポジショニングと今後の展望について詳しく解説していただきました。
同社の特徴として、2009年創業以来のミッドサイズSTPブローカーとしての確固たる地位、ハイレバスキャルピング・高頻度取引を行うトレーダーへの特化したサービス、最大レバレッジ3000倍という証拠金効率の最大化設計、アジア市場における中長期的なポジション構築戦略など、プロフェッショナル投資家のニーズに応える取り組みが印象的でした。
特に注目すべきは、創業者ニコラ・ベラルディ氏の「ブローカー業とはマラソンである」という哲学に基づく、短期的な収益追求ではなく顧客との中長期的な関係性構築を重視する経営方針です。この姿勢は、過度なボーナスや誇張広告に依存せず、ユーザーエクスペリエンスとオペレーショナルな信頼性を資本とする同社の特徴を表しています。
技術面では、スプレッドの競争力と執行速度の安定性を両立させる実務的なアプローチや、厳格なリスク管理モデルを併設した高レバレッジ取引環境の提供により、他社との差別化を図っている点も評価できます。
また、アジア市場への戦略的進出については、人口動態的・経済的成長余地の大きさと、個人投資家のトレーディング参加率上昇、STPモデルや透明性への理解浸透を背景とした、文化・規制へのローカライズ対応による中長期的なポジション構築を目指しています。
「誠実な執行」と「顧客中心主義」を不変の軸としながら、「期待を超える品質」の提供を日々積み重ねることで競争優位を築くTradersTrustの戦略は、中堅STPブローカーとしての独自のポジションを確立する重要な取り組みといえるでしょう。
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